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「今や、農業問題は環境問題だっ!」というお話

しばらく前にNHKが農業問題を集中的に取り上げていて、興味を持って見た番組もありましたが、いかんせん放送のタイミングが最悪で(個人的に、より重要なDの出る「○○シリーズ」と一部重なってしまって)見逃した番組もありちょっと残念でした。

以前、「生物多様マイ」でも採り上げたように、世話人的には、今や農業は単なる経済や食の問題を越えて環境問題だと思えるのですが、こちらの心配には関係なく、ますます厳しい環境に追い込まれているようです。

その心配があながち杞憂でもないと思わせる調査結果が、先月続けて環境省から発表されました。

一つは、「イヌワシ、繁殖率急降下 東北で巣立ち10羽 (10月29日 asahi.com)」

「東北6県で昨年巣立ったイヌワシのひなは、61つがいで10羽しかいなかった。」というかなりショックな内容で、産んだ卵がかえらないというのはタンチョウで問題になった水銀や農薬等の蓄積の影響なども頭をよぎりますが(これだとマサに悪夢、そうでないことを祈ります)、直接には採餌に適した開けた環境(ニュースでは「牧草地」や「伐採跡地」としてあります)がなくなってしまったことに原因があるとしています。

もう一つは、「ヨシ原などの生物、6割「絶滅の恐れ」 国の干潟調査(10月26日 asahi.com)」

こちらは、カニ、ゴカイなど、ヨシ原やマングローブ林など干潟を中心とした湿地に棲息する底生生物の半数以上が絶滅の危険性が高いレベルまで減少しているというもので、埋め立てに伴う湿地の減少などが原因ではないか、とのこと。

方や、生活に欠かせない水を供給してくれている水源を取り巻く地域、もう一方は、ゴールに当たる海へと流れ込む地域、その両方で環境に関わる問題が続けて発表されたってことは、単に偶然としては片付けられないものがあります。

干潟に関して言えば、生活用材としてアシを刈ったり、アシ焼きを行なったりしながら維持してきた環境が放置されたままになっている影響が出ているようで、里山のナラ枯れなんかと根っこに抱える問題は同じ。

もう一方の、水源の周りの環境などは、私達の死活問題にも繋がるものですが、現実には、採算が合わないため放棄された農地を充分な手入れもできないままの森林が囲んでいるといった状態で、こちらも置かれた状況は似たり寄ったり。

経済的なことだけを考えれば、イヌワシがいなくなっても、カニやゴカイが少なくなっても「何が問題なの?」という考え方もあるとは思いますが、環境というのは複雑なバランスの上になりたっているもの。どこかで問題が起きれば、回りまわって思わぬところでツケが回ってくるようにできています。台風のたびに深刻な洪水被害が起きたりしているのは既にそのツケが回ってきている証拠と言えるかもしれません。

干潟にしても、諫早の動きなどを見ると、未だに行政では「未だ埋め立ての終わっていない地域」のように扱われているようですが、直接経済活動には役立たないものの、アシや底生生物などがちっ素やリンなどの有機物を分解している、いわば天然の浄水場。干潟の環境がやせ細ってしまえば、周りの海の水質が悪化し漁業にも大きな打撃を与えかねません。

そういった環境的なことは別にしても、元来日本人は農耕民族ですから、農耕生活を営む中で培ってきた文化的な側面も途絶えさせてしまっていいのか、といった面もあるし、「食料自給率が40%を割りこむ」なんていうニュースを聞くと安全保障の問題として捉える必要もあるでしょう。

そんな農業や林業が経済的な都合だけで揺さぶられている今の状況は、非常に危なっかしいものに見えて仕方がありません。

自由貿易協定(FTA)などとのからみもあって、今のところ国の農業政策では、大規模化によるコストダウンを目指しているようですが、限られた国土しかない日本の農業が、人件費の安い中国や広大な国土のアメリカに、まともにコスト競争を挑んでも、果たして勝ち目があるのか、というのが常識的な考えじゃないですかネエ。輸入が完全に解禁されたわけでもない現在でも、米の価格が下落して、慌てて税金で買い支えようとしているぐらいですから、逆に農業崩壊に繋がってしまう恐れすら感じます。

むしろ、本当に農の再生を考えるなら、たくさんの労力をかけざるを得ない状況を逆手にとって、高付加価値を売り物にするような考え方の方が実現の可能性が高いような気がします。実際、かなりの高額で売りに出した国産米が中国で飛ぶように売れたといったニュースも入ってきてますから、それなりのストーリーを持たせて付加価値を演出し、行政が効果的に支援していくような方向で考えれば、国の内外にそれなりのマーケットは見つかるような気がしますが、どうですかネエ。

その上で、フード・マイレージの考え方なども採り入れながら、環境税、あるいは炭素税等の名目で環境保全としてのコストを幅広く負担していくようにすれば、棚田や山間の農地で農業を営むお百姓さんにも、光の当たる目が出てくるのではないでしょうかネエ。

森林が荒廃し、ため池がなくなり、田んぼや畑が宅地に変わって、そのしわ寄せが河川に押し寄せて、護岸工事やダム建設に多額の費用が投入され、ますます環境がやせ細る、といった悪循環はボチボチ限界ですよ。

農の再生の第一歩は、学校給食をパン食から米飯中心への切り替えでしょう(と言って、給食の現状を分かっているわけではないんですが)。ガキの頃から、おいしい銀シャリの味を覚えこますことがコメ需要の喚起に繋がると思いますがネエ。餅いりラーメンのラーメン・ライスを給食メニューに入れて、食べ終わった後のオツユの中にご飯をぶち込んで食べる味を小学生の頃から覚えさせて・・・。

こほん。ちょっと個人的趣味に走り過ぎました。

くどいようですが、里山の谷あいに青田が広がる光景は日本の原風景。ただ風化するに任せていては「美しい国」のキャッチコピーが泣くというものではないでしょうか。

おっと、そう言えば、そのコピー自体過去の遺物になりかかってましたネエ。


名古屋市平和公園鳥類生息調査、世話人より
census * 時事刻々 * 17:34 * comments(0) * trackbacks(1) * pookmark

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From 太陽と海の楽園♪沖縄 @ 2008/01/28 6:46 PM
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